【新唐人2015年09月20日付ニュース】
中国では石油グループに対する大粛清が続いています。先日、中国共産党中央規律検査委員会(中紀委)は、中国石油天然ガス集団(CNPC 中石油)、中国石油化工集団(シノペック 中石化)、中国海洋石油(中海油)の人員100人以上を処分、あるいは処分予定であると発表しました。昨年から同3社では300人以上が取り調べを受けており、習近平(しゅう きんぺい)国家主席が江沢民(こう たくみん)一派に打撃を与えるための動きであると外部は分析しています。
先日、中紀委のウェブサイトでは第2回特別巡視状況が発表されました。報告によると、中石油は今年1月から7月の間に129人が処分や処分予定になりました。
また中国海洋石油は2003年以来、7部門の幹部ら約40人が離職して会社経営し、同社に貼りついて商売をしているそうです。特別巡視が始まって以来、156人が規律違反で取り締まられ、初級以上の官僚30人が責任を追及されました。
中国問題専門家 張健さん
「中海油、中石油、中国鉄路は当時 「三頭立て馬車」といわれ、国有資産横領のエリート養成学校でした。これが長期間存在できたのは、江沢民、曾慶紅が執政についた時、これらの腹心を大量に増やしたからです」
また報道では、中海油ではトップの汚職と「縁故採用」が一般的な現象となっていると指摘しています。
また、「石油閥トップ」と言われる元国家副主席、江派の曾慶紅(そうけいこう)は「中海油」出身で、石油大手3社と深い繋がりがあり、石油系統は数十年来「石油閥」のドル箱になっています。
時事評論家の邢天行(けい てんこう)さんは、 石油系統の取り締まりは、曾慶紅への包囲網が狭めらている現れだと指摘しています。
時事評論家 邢天行さん
「相次ぐ曾慶紅、江沢民の腹心への取り締まりで、江派のピラミッドの下部がすでに崩れ続けるようになり、上部トップの曾と江はいつ倒れてもおかしくないのです」
また、邢天行さんは、曾慶紅と江派ファミリーの罪は、巨額の国有資産を搾取したことだけではなく、官僚腐敗のモデルを作り上げ、中国社会の道徳ラインを壊したことにあると指摘しています。
昨年11月、「中海油」の子会社の羅偉中(ら いちゅう)社長が取り調べを受けました。今年4月、「中海油」の元副社長・呉振芳(ご しんほう)が失脚。5月「中海油」の会長・王宜林(おう ぎりん)が解任され、「中石油」グループの会長に転任しました。
中国メディアは、昨年、巡視を受けた「中石化」を含む、石油大手3社で300人以上が処分、または処分予定であると伝えています。
また、中国大手携帯電話会社、「チャイナ・モバイル(中国移動)」が14日に発表した報告では、昨年、同社で巡視を受けた6部門で合計110人が責任を追及されたと伝えられています。
中国問題専門家の張健さんは、「中石油」、「中海油」、「中国移動」の背後には江沢民と曽慶紅がコントロールしており、これらに対する粛清は、習近平 国家主席の「江叩き」の動きの一つであると述べています。
張健さん
「これらの企業は江と曾および現任の中国共産党の役員が、拠り所にしている秘密金庫かもしれません。中国の政治闘争が白熱化している中、これらの企業を粛正するのは、相手の資金チェーンを切断する必要な手段です。今後 このような動きはさらに激しくなるでしょう」
中国国家行政学院の竹立家(ちく りつけ)教授はメディアに対し、「2度の巡視状況から見ると、『国有企業改革推進のガイドライン』の実施に結び付き、将来は国営企業の反腐敗も強化されるだろう」とコメントしています。
邢天行さん
「(習近平は)最初の大きな問題障害を突破すると、今は下へ行けば行くほど(反腐敗が)容易になりました。これらの(反腐敗の)動きを通して、何人いようが必ず最後まで反腐敗を徹底する彼の決心を表明しています」
張健さんは、以前失脚させた官僚の後ろ盾はみな、江と曾であったと指摘。現在、習近平国家主席は江曾派閥を一歩一歩、四面楚歌の苦境に追い詰めつつあります。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2015/09/16/a1224064.html(中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/佐藤 映像編集/李)